東洋の森ブログ

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子宮内膜増殖症からのご妊娠

子宮内膜増殖症からのご妊娠

聞きなれない疾患の方もいらっしゃるので少し解説させて頂きます。

子宮の内膜は、卵胞が育つに従ってエストロゲンの作用で内膜が厚くなってきます。

月経後卵胞の育ちが悪く不正出血になるのは、子宮内膜増殖症ではありません。これは、卵胞の育ちがわるく、内膜が厚くならないので不正出血になっています。

通常排卵後は、ネガティブフィードバックが起こりエストロゲンの作用にブレーキがかかるシステムになっています。

 

子宮内膜増殖症は、このブレーキ作用の働きが何かの原因で

起こらず、内膜が増殖するという病気です。

月経でしっかりと内膜が剥がれ落ちるといいですが、

内膜が厚いまま次の月経を迎えてそれがつづくと掻爬手術が必要となります。

子宮内膜細胞に異型があると癌化するリスクが高いと言われています。

東洋医学では、細胞の変形には瘀血(血流の滞り)があると捉えます。

当院に来られたこの患者様には、2年の月日を経てご妊娠されたのですが、かなりの期間全身の血流と子宮の血流改善に特化して

鍼灸+漢方薬を行いました。

顕著な反応として、月経時の頭痛腹痛が少なくなってくると

病院の内膜の病理検査で陰性になりました。

その後基礎体温が整ってから移植をされ見事、妊娠となりました。

使用した漢方薬は、

亀鹿仙、水快宝、瀉火補腎丸、シベリア霊芝

です。

ご妊娠中も流産防止のために

シベリア霊芝、田七人参茶

を服用していただいております。

出産までしっかりとサポートさせて頂きます。

 

7月不妊鍼灸説明会

7月不妊鍼灸漢方説明会

日時

2019年7月20日土曜日

12時30分受付 所用時間30分  個別相談15分

参加費無料

満席となりました。

只今キャンセル待ちの状態です。

多嚢胞性卵巣症候群、子宮腺筋症、子宮内膜症、チョコレート嚢胞、43歳からの不妊治療

等の疾患を持ちながらご妊娠された基礎体温を参考にお身体の解説をさせて頂きます。

妊娠力低下を防ぐ

妊娠力低下を防ぐ不妊鍼灸・不妊漢方・養生法

前回の続き

②「気の不足」タイプ
体内の「気」は、活動のエネルギー源の事です。気が充実していれば、体にエネルギーが行き渡り、子宮や卵巣の働きも良くなる為、妊娠しやすい体質を保つことが出来ます。
年齢を重ねるとエネルギーは不足しがちに。すると子宮や卵巣の機能も低下し、妊娠力が落ちてしまいます。

★気になる症状
疲労感、息切れ、風邪を引きやすい、顔色が白い、痩せている、食欲不振、冷え、軟便、下が大きく舌苔が白い

★養生のポイント
気は食事の栄養を元に生み出される為、「脾胃(胃腸)」の元気を保ち、食生活を整えることが大切。年齢と共に食が細くなったり、多忙で偏った食事が続くなどありますが、体の元気は妊娠力の基本。毎日しっかり栄養を摂ることを心がけて下さい。

★食養生
大豆製品(納豆、豆腐など)、インゲン豆、茸類、にんじん、じゃがいも、里芋、りんごなど

★よく使われる漢方
イスクラ補中丸、イスクラ健脾散エキス顆粒、イスクラ健胃顆粒など

次回は「血不足」タイプについてお話します。

 

鍼灸師 木村

妊娠力低下を防ぐ不妊鍼灸と養生法

加齢によって起こりやすい「虚証」という、体に必要なものが不足したり、働きが弱くなったりする状態を改善して、妊娠力低下を防ぐ不妊鍼灸・不妊漢方の養生法をご案内します。

①「腎の虚証」タイプ
子宮や卵巣の働きは五臓の「腎」が蓄える生命エネルギーの源である「精」によって支えられています。この「腎精」が充実していると子宮や卵巣の働きも良く、排卵も安定する為、妊娠しやすい体が保たれます。

★気になる症状
月経不順、排卵障害、腰痛、腰がだるい、めまい、耳鳴り、冷え、若白髪、抜け毛、頻尿、舌の色が淡く舌苔が白い

★養生のポイント
まずはしっかり栄養をとる。過労や睡眠不足などに注意して、腎精の過剰な消耗を防ぐことが大切です。腎は冷えに弱いので、身体を温めることも心がけて下さい。

★食養生
くるみ、黒豆、黒ごま、松の実、くこのみ、山芋、もち米、羊肉、鹿肉、えび、うなぎ、シナモン、紅茶など

★よく使われる不妊漢方・不妊鍼灸
イスクラ杞菊地黄丸、イスクラ八仙丸、イスクラ参馬補腎丸、イスクラ参茸補血丸など

次回は「気の不足」タイプについてお話します。

 

鍼灸師 木村

男性不妊について

精液検査に正常値という概念がない⁈

WHOが発表した世界的な統計でーたによると、現在、不妊カップルの48%は男性側に原因因子を有しているとされています。
一般臨床で用いられているのは2010年にWHOが発表した基準値で、精子濃度は1500万/ml、運動率は40%というものですが、妊娠を保証する数値ではありません。

また、精液初見はさまざまな要因で、数値が変わります。一度悪かったからといって、この先、必ず精液初見が悪いとはかぎりません。精液所見が悪かった場合は、複数回の検査を行うことが、勧奨されます。

精子が少ない場合は内服治療(ビタミン剤、漢方製剤、サプリメント)などで改善することもあります。

乏精子無力症に、対する薬物療法については内分泌療法と非内分泌療法に分けられる。一般に、ビタミン剤や漢方製剤を用いた非内分泌療法が先行される。

●非内分泌療法の有効性

・ビタミンB12 1500〜3000μg/日 有効性35〜80%

・ビタミンE 150〜300mg/日 有効性50〜70%

当院では、様々なご体質に合わせた漢方薬をご用意しております。

舌の裏に静脈が見える血流ドロドロタイプの方、肥満型のタイプの方、ストレスがかかると胃腸に影響するタイプで精子の運動率が低下しているタイプは

病院で処方される補中益気湯や、八味地黄丸ではなかなか効果が出ないタイプです。

 

この血流ドロドロタイプの方、肥満型、ストレスですぐに胃腸にくるタイプの方でお困りの方はご連絡お待ちしております。

無料遠隔相談、Skype相談は随時受け付けております。

お問い合わせは

info@to-you-no-mori.jpまで

出典 『データから考える不妊症・不育症治療希望に答える専門外来の診療指針』
編集 竹田 省   田中 温  黒田恵司

主任 木成

妊娠率の最も高いタイミング法は?

妊娠率の最も高いタイミングは?

タイミング法について

自然周期では最大卵胞径が18㎜を超えると、卵胞一つにつき血中エストラジオール値E2は270〜300pg/mlは上がっていないと良質な卵胞とは言えません。

E2は分かりやすく言うと、卵巣の力だと思って下さい。

質のいい卵巣を育てるのに、E2が270〜300pg/mlくらい欲しいと言う事です。

経膣超音波検査による卵胞発育の確認、血中あるいは尿中黄体化ホルモン(LH)でLHサージの有無を確認し、

エストラジオール値E2や基礎体温などを用いて排卵日を予測し、性交のタイミングを合わせる方法です。

正常妊孕能女性のタイミング法1周期あたりの妊娠率は17~20%です。

不妊症女性ではタイミング法で妊娠した症例の64%が6周期以内の妊娠でした。
タイミグ法における性交のタイミングは、排卵1~2日前が最も妊娠率が高く、排卵当日までに3回以上行うことが指導されています。

妊娠の可能性のある排卵5日前から、排卵当日までに、3回以上性交すると妊娠率が高くなることが分かっています。

排卵の6日以前もしくは排卵1日後には可能性がありません。
一般的に受精能力があるのは、卵子は排卵後約24時間、精子は女性の生殖器内に入って48時間までとされています。

そのため女性の排卵周期、子宮内に精子が入るタイミングを考慮することが重要です。
AIHの場合には排卵前日から当日に行うことが望ましいとされています。

出典 『データから考える不妊症・不育症治療希望に答える専門外来の診療指針』
編集 竹田 省 田中 温 黒田恵司

発行者 三澤 岳

主任鍼灸師 木成

世界中医薬学会連合会アジア太平洋サミット

世界中医薬学会連合会

アジア太平洋サミット

日本中医薬研究会大会にて

 

黒龍江中医薬大学 韓教授

『多嚢胞性卵巣症候群における治療』

北京中医薬大学付属病院  談医師

『反復性流産、妊娠時に漢方薬の安胎効果』

山東中医薬大学婦人科主任教授 連方先生

『PCOS,卵巣機能不全』

西洋薬、漢方薬、鍼灸と様々なアプローチを学ばせて頂きました。

 

院長  足立

 

子宮内膜症が妊娠に及ぼす影響

子宮内膜症が妊娠に及ぼす影響について

子宮内膜症とは、子宮内膜や子宮内膜に類似した組織が、子宮以外に増殖する疾患のことです。この病態が妊娠に及ぼす影響についてお話しさせて頂きます。

子宮内膜症の主病変である、卵巣子宮内膜症性嚢腫は、発症することで卵巣機能の低下をきたします。

妊娠においては配偶子や胚へ影響し精子運動障害、受精障害、胚発育障害を誘導します。

つまり、タイミング法や人工授精の一般不妊治療では子宮内膜症の不妊原因のすべてを解決することは出来ません。

また、妊娠中の合併症のリスクである大きい卵巣嚢腫などを認める場合、原則として手術を優先しますが、摘出手術を行うことで、卵巣予備能が低下することもわかっており、手術を行う前には必ず抗ミュラー管ホルモン(AMH)を測定し、現在の卵巣予備能を確認する必要がある。

子宮内膜症と関連する妊娠中の合併症は、卵巣嚢胞の破裂、卵巣嚢胞の癌化、卵巣膿瘍の形成、腹腔内出血、腸管穿孔、早産などが挙げられます。

 

引用『不妊症不育症治療』メジカルビュー社

 

鍼灸師 木村

妊娠前に接種しておきたいワクチン

妊娠前に受けておいた方が良い予防接種は?
妊娠を希望する女性のワクチン接種
●妊娠を予定している女性には、小児期からこれまでに接種対象となっているワクチンの規定回数の接種が完了しているかどうか、また感染症の罹患歴も合わせて、感受性者(免疫のない者)か否かを確認し、妊娠前に必要な追加接種を受けておくことをお勧めします。

●生ワクチンは、妊娠中の接種が原則禁忌であること、また接種後には一定期間(通常は1〜2ヶ月間程度)の避妊が必要なことから、妊娠前に余裕を持って接種を済ませたいワクチンです。
生ワクチンの対象疾患のなかで特に風疹は妊娠20週までの感染で児に白内障、先天性心疾患、難聴を主徴とする先天性風疹症候群(CRS)を引き起こすことで知られています。
(12週までが80%以上と高い発症リスクを示す)
不顕性感染なほとんどない麻疹や水痘と異なり風疹は感染者の15〜30%が不顕性感染となるため、罹患に気づかないまま周囲に感染が拡大していきます。
また、母体が不顕性感染した場合でも、CRSは発生するとされています。
対策は予防接種以外にないため、妊娠前の接種が強く推奨されるワクチンです。

●麻疹は、風疹の様に先天性異常のリスクは増加させないものの、流・早産のリスクを高める事が分かっています。
妊娠中に麻疹に感染したケースの30%前後が流・早産
に至ったという報告があります。また、妊婦が麻疹に罹患すると、重症化しやすいことも分かっています。風疹の抗体価の低い人は麻疹抗体価も低い傾向にあることから、接種を考慮する際には風疹単味ワクチンよりも麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を勧めるようにします。
●水痘は、妊娠20週以前の感染で先天性水痘症候群(四肢低形成、神経系の異常、眼球異常など)を起こしますが、その頻度は低く2%以外とされています。特に問題となるのは妊娠後期以降の感染で、母体の水痘肺炎は子宮の増大による呼吸機能の低下も加わって重症化しやすく、分娩前後の発症で新生児に感染する周産期水痘の致死率は30%に及ぶという報告もあります。治療薬の進歩に伴い死亡率は改善されているものの感染には注意が必要です。
●流行性耳下腺炎は妊娠初期に感染すると、流産のリスクが増加するとされてきましたが、最近では、これを否定する報告もでてきています。
経胎盤性にウイルスが胎児に移行はするものの催奇形性はないとされています。
新生児が罹患した場合でも軽症であることが多いようですが、周産期の母体の感染から児が肺炎や脳炎に至った重症例の報告もあります。流行性耳下腺炎は、疾患それ自体は重症化しにくいのですが、種々の合併症(髄膜炎、不可逆性難聴、思春期以降の感染で精巣炎や卵巣炎など)を起こすことでしられています。
出典『南江堂 エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92』

主任鍼灸師 木成

多嚢胞性卵巣症候群が妊娠に及ぼす影響

PCOSが妊娠に及ぼす影響について

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は以下のような妊娠への影響があります。

●妊娠前
肥満や耐糖能異常を有する患者は高インスリン血症を認めたり、副腎からのアンドロゲン産生がさらに亢進、つまり卵胞の発育と排卵の抑制がかかってしまう等、全身の内分泌異常の悪循環をもたらします。

さらに長期無月経の場合、子宮内膜のエストロゲン過剰により子宮内膜ポリープが生じやすく、着床障害となることがある。また、排卵障害に起因する黄体機能不全を合併することも多い。

●妊娠後
PCOSの女性は妊娠後の流産率が20~40%と高く、内分泌異常に起因すると考えられている。
妊娠中の合併症として、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、早産による帝王切開率の増加などが報告されています。

『不妊症・不育症治療』メディカルビュー社より引用

鍼灸師 木村