子宮内膜症が妊娠に及ぼす影響について
子宮内膜症とは、子宮内膜や子宮内膜に類似した組織が、子宮以外に増殖する疾患のことです。この病態が妊娠に及ぼす影響についてお話しさせて頂きます。
子宮内膜症の主病変である、卵巣子宮内膜症性嚢腫は、発症することで卵巣機能の低下をきたします。
妊娠においては配偶子や胚へ影響し精子運動障害、受精障害、胚発育障害を誘導します。
つまり、タイミング法や人工授精の一般不妊治療では子宮内膜症の不妊原因のすべてを解決することは出来ません。
また、妊娠中の合併症のリスクである大きい卵巣嚢腫などを認める場合、原則として手術を優先しますが、摘出手術を行うことで、卵巣予備能が低下することもわかっており、手術を行う前には必ず抗ミュラー管ホルモン(AMH)を測定し、現在の卵巣予備能を確認する必要がある。
子宮内膜症と関連する妊娠中の合併症は、卵巣嚢胞の破裂、卵巣嚢胞の癌化、卵巣膿瘍の形成、腹腔内出血、腸管穿孔、早産などが挙げられます。
引用『不妊症不育症治療』メジカルビュー社
鍼灸師 木村