東洋の森ブログ

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妊活ファスティング

昨今不妊治療に妊活ファスティングを検討される患者様が多くなってきました。

妊活ファスティングの際に飲まれている酵素や成分にクエン酸・動物性由来のプラセンタ・ヒアルロン酸・食物繊維・オリゴ糖等が配合されている物が多いようです。基本的に食事を抜くことで、デトックスをしたり、一定期間断食をすることで、細胞を活性化させる事を目指しているのが妊活ファスティングとなります。

東洋医学的に、妊活ファスティングの効果が出やすい体質・効果がマイナス要素が大きい体質を解説させて頂きます。

体の力の説明を先にさせて頂きます。

体の力には、2種類しかありません。

一つは、生まれ持った先天の力(腎精)

二つめは、食べ物から得る力を後天の力(気又は胃腸の力)

断食やデトックスをしないとダメな体質とはどういったタイプでしょうか?

体の中に余剰なエネルギーが溜まりすぎている状態を、漢方的には「痰湿」(たんしつ)と呼びます。食べ過ぎにより、胃腸の力(=気の力と呼びます)が過剰になっている状態です。

ファスティングより、過剰になったエネルギーをデトックスするのです。

腎とは、体の力で妊娠と関係します
(先天の生まれ持った力)

・体重が60kg以上の方

・太り気味の多嚢胞性卵巣症候群

・男性ホルモンが優位になっている方

上記の様な症状がある方が考えられます。

35歳以下のぽっちゃりタイプで、スポーツをした後でも疲労感がなく、すっきりとした感じのみ感じるタイプです。

このタイプの方は、妊活ファスティングをされると効果が期待できます。

私達の様な専門家は、脈や舌の状態で上記の体質を判断します。上記の様な体質の方は、漢方的に「実証」(じつしょう)と呼ばれる体質です。

反対に、体力が無い・疲れやすいタイプが妊活ファスティングをするとどの様になるか、イメージで表してみます。

食べ物からの力が入らないので、
胃腸の力が減少します(気の力)
気の力が低下した分を腎の力を分けるので、
卵子に貯めておかないといけない力が奪われます
結果、腎の力が低下してしまいます。

「虚証」(きょしょう)のタイプでも、マラソンのランナーズハイの様な躁状態になりますと、すっきり感を感じますので、これが非常に厄介です。自覚症状と、効果が正反対の時があるからです。これは、ご説明してもなかなか理解していただけませんので、このような時に役に立っておりますのが、毛細血管測定となります。

毛細血管測定は、リアルタイムな状態を見る事ができますので、理解しやすいです。虚証のタイプの方が妊活ファスティングをしますと、デトックスどころか、血流を流す力が落ちますので血流の停滞や冷えが沢山出てきます。いわゆるドロドロ血です。

普段から疲れやすい・睡眠が不足している・不整脈・脈が遅い(一分間の拍動が60回以下)の体質の方は、妊活ファスティングはマイナスの要素が多すぎますのでおすすめできません。有酸素運動は大丈夫ですので、細胞を活性化させたいのであれば、運動の方を頑張っていただけたらと思います。

ファスティングに使われている成分の中の、ヒアルロン酸は潤い成分ですが、本来は体の中から生成されないといけない物になります。潤す力は、卵巣を動かす力と深い関係があります。卵巣の力は腎が関わってきますので虚証のタイプは普段から、腎陰が不足している方が多いのでその点からもあまりおすすめしないです。腎が不足すると、卵子の力が低下しますからね。

クエン酸は、血を作る際に必要な成分ですので妊活には大事です。

オリゴ糖や食物繊維は腸内の細菌群の餌になりますから、大事です。

酵素ドリンクではなく、ご自身で取られる場合は、果物やお野菜を積極的にお取りください。

果物には、オリゴ糖が多くありますし、お野菜には食物繊維・ビタミン類が多いですので代用されても良いでしょう。

効果が出やすい体質を付け加えますと、35歳以下でニキビができやすい・内膜症をお持ちの方も良いと思います。

ご自身の体質をしっかりと見極めてからされると良いと思います。

院長足立